マンションの孤独死、その大家さんの話

まだ暑さの残る初秋の日のこと、不動産管理会社からのお問合わせで、
「当社で管理している物件ではないのですが、付き合いの古い大家さんが、
物件の中で孤独死処理(特殊清掃)に困っているらしく その相談に乗ってやってほしい」
とご相談されました。
即、私はその大家さんに連絡を取り、不動産管理会社からの紹介である事を伝え、状況を尋ねました。


現場は埼玉県某所、中年女性のお部屋での病死による孤独死、親類は九州に50年も会っていない遠い親戚のみ、原状回復したいが親戚も顔も覚えていない相手の事で、私達に言うのは間違いと拒否されたとの事。
困り果てた大家さん、何か方法はないものかとのご相談、私が保証人の事を聞くと古くてもう書類がないとの事。
それはもう八方塞な状況でした、「それでは、私がもう一度親戚に掛け合って見ます」とは言うものの遠い九州の親戚、私が行くわけにもいかず、電話のみの対応でしたが出来るだけ気持ちが伝わるように根気よく訴えて見ることに・・・
やはり責任については拒否されましたが、故人の遺骨については、引き取り そして供養すると約束してくれました。
その事を大家さんに報告すると、「しょうがないよね」と半分覚悟していた様子。
その後、次に貸せるようにしてもらいたいと言われ、私達が工事を請け負う事になりましたが、今回の事に関する責任を、すべて大家さんが背負うかたちになってしまいました。


その後、大家さんは吹っ切れたのか、穏やかに笑顔で迎えてくれ、
私達はその笑顔にこたえるように、一生懸命に工事させて頂きました。
次の入居者が早く決まることを祈りながら・・・。
工事終了後 ご紹介頂いた不動産管理会社様にご挨拶に行き、
担当者の方に今回の一連の流れを説明しました。

その時の不動産管理会社の方と私の会話の一部です。
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不動産管理会社の方 「あの大家さんは人が良く、頼まれると快く簡単に引き受けちゃうんですよねぇ~。だから今回みたいな事に・・・」


私 「え?どう言う事ですが?」


不動産管理会社の方 「今回亡くなった方ですが、大家さんに泣きつかれてろくに書類も取らず簡単に入居させちゃったんですよ、人が良すぎるんですよね~」
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少し複雑な気持ちになった私ですが、不動産管理会社の方と少しお話をした後、その場を後にしました。大家さんは、保証人等の書類をなくしたのではなく、最初からもらってなかったのです。
心優しく、人情味に溢れた大家さん、この時はじめて大家さんの人間性の素晴らしさを知り、私は、「世の中まだすてたものじゃないな・・・」と感じました。
こんな人ばかりだったら、もっと住みやすい世の中なのにな、などと考えながら、現実と日々奮闘の毎日をおくっております。


★私達を必要としてくれる人たちの為に・・・・。



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